皇室とともに
英語を子どもに教えるな
英語は、日本人全員がマスターしなければならない事ではない。日本を移民国家にしない為にも日本人の多くは日常英会話は出来ない方がよい。では、何の為に外国語を学ぶか?海外の情報を日本語に翻訳された本を読んで学べるようにすることも一つの目的だ。日本防衛のために外国語を学ぶ。優れた外交官、通訳を育てる。その為には、まず母国語をしっかりと身に付ける事だ。そして、日本の伝統や文化をしっかりと学び理解していないと外国の文化は理解できない。文科省の教育では、日本の伝統や文化についてとても疎かにする指導がなされている。教員も事なかれ主義で多くが教えないでいる。保護者もそうだ。
「英語を子どもに教えるな」という本は、早期教育は、英語も母国語もダメするから止めましょうという提案だ。しかし、バイリンガルを育てるにはこうしたことに留意するといいですよと「親が留意すべき10のポイント」を示している。詳しくは、この本をお読みください。
ポイント2 脳の世界は謎だらけ、教材・教授法に惑わされるな
正当化する教育会社
その根拠として、大脳生理学の研究成果に基づいて消費者にアピールして
いるが惑わされるな。
正当化している知見は次の4つの中のどれかであると言っても過言ではない。
- 脳の重さは、新生児で約400グラム、六か月で生まれた時の倍の重さになる。三歳では約1100グラムで、成人の約80パーセントの重さ六歳になると成人の約90パーセントの重さに達する。
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それだけ脳内に複雑なネットワークが張り巡らされたことになる。三歳頃には成人(二十歳)の約60パーセント、六歳頃には約80パーセント、十歳頃には95パーセント以上のシナプスが形成される。
- 新生児の大脳皮質の中には、神経細胞が約140億個ほどあるが、生後一年以内に大量に死滅して六分の一ほどになり、その後、新たにつくられることはなく、緩やかに減り続ける。生後六か月頃までは、どの言語の音声も識別できるが、それを過ぎると、頻繁に耳にする言語だけに特化した識別能力を身につける。このようにある特定の能力を選択することと、神経細胞の死滅との間には関連性があると考えられる。
- 人間の脳は、右脳と左脳とでは異なった機能を担っている。右脳はイメ
ージ脳と呼ばれ、図形認識、直感力、瞬間記憶、ひらめき、芸術、創造
性の源と考えられている。これに対して、左脳は言語脳と呼ばれ、言語
認識、論理的思考、数的処理を司る。この機能分化は、幼児期までに完
了すると考えられている。
- 注、メソッド《「メソード」とも》体系的な方法・方式。
(1)と(2)の事実に基づいたメソッドは、脳が急速に発達する六歳ぐらいまでの間に、言語学習を行うことの有効性を強調して営業する。しかし、この時期の子どもに優れたシナプス結合をつくるにはインプットの際に、大脳のどの部位を働かせたかが重要である。
本来、子どもの学習は、子ども自身がワクワクしながら、どんなことが起こるか想像したり、あんなことをしなければよかったと反省したり、感情と意志とを総動員して行われる。このような活動が、大脳の前頭連合野の働きを活発にし、子どもにとって「意味のある学習」となって、思い出とともに深く記銘される。
(2)の事実は、六歳でほぼシナプスのネットワークが完成し、取り返しがつかないというイメージを与えてしまう。だが、「成長につれて脳が構造的に変化して青年期以降に言語学習が妨げられるということについての一貫した理由はまったくない」という。脳の「構造」ができあがることと、脳の「機能」が育つことが同時に進行するわけではない。乳幼児期に知的な刺激ばかりに触れさせると、情緒面に悪影響を及ぼす危険性がある。
(3)の考えを重視するメソッドは、乳幼児から二つの言語に触れて育った子どもが優れたリスニング力を示すことを裏づけているといえるかもしれない。しかし、母語が不完全なうちに第二言語を聞かせることで、日本語を失って、日本語も英語も不完全ないわゆるセミバイリンガル状態に陥ってしまう可能性があることを忘れてはいけない。
(4)現時点では、幼児の言語活動が右脳優位であるといえる決定的な証拠はないし、複雑な脳の機能を、左脳と右脳のどちらが活発に働いているかという大雑把なとらえ方で解釈することはできない。
誰にでも必ず第二言語の習得を可能にする唯一の方法など見つかっていない。こうすれば、マスターできるという言葉に惑わされない。
映像教材の良し悪しを見分ける方法
音声を消して映像のみ見ることである。音声がなくても状況設定や話している内容が理解できるなら、子どもの英語学習にふさわしい映像教材である。