JINF 日本の真価が問われている

          日本の真価が問われている
                国基研企画委員・東京基督教大学教授 西岡力
 
 有史以来、地球上の全ての地震の2割が日本で起きたとか、今回の大震災は千年に1度の大地震だなどといわれている。天災は避けることができないが、起きた後の対応は人間の領域だ。日本政府、いや日本国の真価が問われている。
 
 ・称賛される国民の沈着さ
 国内では部分停電の発表の仕方や、それに伴う交通機関の混乱などで、菅政権への批判が高まりつつある。一方、海外からは国民の沈着な行動に高い評価が寄せられている。米国、韓国のマスコミも同じような記事を載せている。
 東京で被災したある韓国人は「韓国がアジア大陸からの共産独裁勢力を防ぐ防波堤ならば、日本は太平洋からの巨大な自然災害を吸収する防波堤ということを実感します。日本文化が危機管理時にどのように機能するかを観察する機会ですが、日本人の沈着さを改めて感じます」と韓国のインターネットニュースに寄稿している。
 阪神大震災の際、韓国の朝鮮日報が社説で「日本は落ち着いていた」「略奪や混乱が起きていない」と称賛していたことを思い出す。その社説は、日本人の秩序意識の源泉は小さい時から「他人に迷惑をかけてはならない」という家庭教育を受けていることだと「迷惑」という日本語の単語を使って説明し、韓国人もそれに見習うべきだと説いていた。
 
 ・被災者支援に全力を
 震災の日以来、朝鮮半島問題が専門の筆者の元には、韓国の拉致家族や脱北者、新聞社幹部、保守運動家などから見舞いの国際電話が相次いでいる。韓国からの救助隊が世界に先駆けて日本にやってきた。救助隊や救援物資は他の国からも続々と到着している。世界各国からの心のこもった支援に応えるためにも、被災者支援と復興のために国を挙げて取り組まなければならない。
 
国基研
 
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