なぜ日本のメディアは PCR検査の拡大を求めるのか

           皇室とともに

三橋貴明の「新」経世済民新聞』  2020年5月19日  [特別寄稿]  なぜ日本のメディアは  PCR検査の拡大を求めるのか  From 三宅隆介   @川崎市議会議員

日本のPCR検査の少なさを 偏向的に報道する日本のメディア、 とりわけニュース番組と ワイドショーについてはそれが顕著です。

 

なぜ偏向的なのかと言いますと、 彼らは検査数の国際比較を 嬉しそうに報道する一方、我が国においては 新型コロナウイルス感染による死亡者数が 他国に比べ圧倒的に少ないことについては あまり触れようとしない。 本来、なぜPCR検査の少ない日本において 死亡者数が少ないのか、その理由を取材し 報道すべきではないでしょうか。

ただただ 「日本は検査数が少ない。  だから拡大すべきだ」と結論を急ぐ。

こうした不可解なメディアの報道は 功を奏し、今や日本の世論は概ね PCR検査の拡大を求める方向に流れています。 そうした流れに応えるかのように 『新型コロナウイルス感染症対策専門家会議』 (以下、「専門家会議」)は PCR検査の対象基準を見直すに至り、 我が国においても PCR検査を拡大する方向に進んでいます。

むろん私は拡大そのものに 反対するものではありませんが、 拡大するのであれば少なくとも 次の2点を前提に慎重に拡大すべきです。

前提とは、 ①何を目的に、 ②どういう人を対象に絞り込むのか、 の二点です。

なぜならPCR検査を拡大して成功した国は 対象者を絞り込んだ上で拡大しています。 例えば、成功したとされている 韓国のドライブスルー方式にしても、 日本のファーストフードの ドライブスルーのように、 たんに通りがかりの人が 「時間があるから、  ちょっと寄っていこうか」 みたいなものではありません。 GPS等を駆使して感染リスクの 極めて高そうな人を絞り込んだ上で 検査に来てもらっています。 希望する人すべてに対し無目的に PCR検査を拡大したわけではなく、 目的と対象を明確にした上で拡大したのです。

また、私がPCR検査を拡大することに 懸念を抱くのは、日本疫学会が 次のような見解を示しているからです。

日本疫学会によれば、新型コロナウイルスは 実際に感染していることの 把握自体が困難であり、実際の感染者に対し PCR検査がどれほど正しく診断できているか についての正確性の計算は 未だ確立されていない、とのことです。 なお、いくつかの研究においても 「PCR検査が新型コロナウイルス感染症を  完全には診断できていないのではないか」 と報告されているようです。

例えば、最初に 新型コロナウイルス感染症が報告された 中国・武漢市にある華中科技大学の 医学院附属病院の研究では、 新型コロナウイルス感染が疑われ、 肺炎の検査のための胸部CT検査と 新型コロナウイルスPCR検査の 両方を受けた1,014人の大規模な データ分析を行ったところ、 最初にPCR検査を受けた際に 陽性だったのは59%(601/1014)で、 その後、PCR検査を繰り返したところ、 最初にPCR陰性だった15名の患者さんが PCR陽性になるまでに 平均で5.1日を要したという。

つまりは、新型コロナウイルスに 既に感染していると考えられた上で PCR検査をしても、早い段階では、 60〜70%くらいしかPCR検査が 陽性にならない可能性が 報告されているというのです。 明らかに肺炎があって比較的重症な患者でも 1回の検査では、なんと6割しか 陽性にならないというのですから驚きです。 即ち、PCR検査には偽陰性が 4割もあるということなのです。

そして日本疫学会は、 その原因を次のように指摘しています。

例えウイルスに感染していても、 鼻や喉にウイルスがいない場合、 PCR検査は「陰性」という結果になります。 検体を取るタイミング等の問題もあって、 感染していてもたまたまその部位に ウイルスがいない、もしくは非常に少ない 部位から検体を取ってしまった場合、 あるいは感染してから日が あまり経っていないがために ウイルスが増えておらず、 PCR検査で見つけることができる量の 限界以下であった場合には、 PCR検査の結果は陰性になってしまうという。

なるほど、肺から直に検体を 採取するわけではないので 当然といえば当然です。

ということは、ウイルスの量が 少ない軽症者にPCR検査を拡大した場合、 実際に新型コロナウイルスに 感染していたとしても、 検査結果が陽性になる確率が 低くなってしまう可能性もあるということです。

以上のように、残念ながら 「PCR検査が陰性だった」ということは、 必ずしも新型コロナウイルスに 感染していないという完全な証明には ならないとのことです。 要するに、無目的にPCR検査を 拡大した場合、本当は 新型コロナウイルスに感染しているのに 「陰性」と判断されてしまう危険性が 4割もあるというわけです。 日本のメディアは、こうした日本疫学会の 見解を現在に至ってもなお報道せず、 少なくともPCR検査に潜む このような危険性を充分に認識した上で PCR検査の拡大を求めているとも思えません。

PCR検査には偽陰性が 4割もあるのであれば、仮に「陰性」の お墨付きをもらった4割が 「オレは陰性だから、自粛する必要はない」 と言って街を闊歩したらどうなるか。 むろん、いたずらに感染を拡大するだけです。

詰まるところ、やみくもにPCR検査を 拡大するよりは、発熱や咳などの風邪症状が あった場合には少なくもと1週間くらいは 家でじっとしている方が より安全だということになります。

現に、我が国は賢明にもそうしてきました。

これまでPCR検査を拡大せずとも、 我が国が死者数をこれだけ少なく抑え、 医療機能を維持することができたのは そのためではないでしょうか。

にもかかわらず、 なぜ日本のメディアは殊更にPCR検査の 少なさを強調し拡大を求めるのでしょうか。

そこで念のため、 次の2つのグラフをご覧ください。

これらのグラフは専門家会議が 報道機関むけに提供した資料から 抜粋したものです。

まず、1つ目のグラフは、各国、 各地域のPCR検査数を比較したものです。

ご覧のとおり、そして前述のとおり、 たしかに我が国のPCR検査数は各国、 各地域に比べて格段に少ないわけですが、 次のグラフをみれば明らかなように、 必ずしも 「検査数の多さ = 死亡者数の少なさ」 にはなっていません。 私にはむしろ反比例しているように見えます。

推測するに、やみくもにPCR検査を拡大した 国や地域で新型コロナウイルスによる死者が 多くなっているのは、 「PCR陰性」のお墨付きをもらった 4割が街を闊歩してしまい、 結果としていたずらにウイルス感染を 拡大することになってしまったのでは ないでしょうか。

繰り返しますが、これらのグラフは 専門家会議がメディア向けに配布した資料です。

なのに、どうしてメディアは PCR検査数の少ない日本において 死亡者数が少ない理由を 報道しようとしないのでしょうか。 それを怠り、 なぜPCR検査の拡大を求める世論を つくろうとするのでしょうか。

以上のことから、 私には次のような仮説が浮かび上がります。

戦時体制(休戦状態)にある韓国、 あるいは「明るい北朝鮮」などと 揶揄されることのある独裁国家シンガポールのように、 国家権力が強権を発動した国や地域では 新型コロナウイルスの封じ込めに 成功している一方で、 日本は未だ戦後体制(GHQ体制)のなかに あって国家の強権を発動できず、 とりわけ「新型インフルエンザ特措法」 などは何の強制力もない竹光法となっている。

そこで敗戦利得者たる 日本のメディアは考えた。

このままでは… 「そろそろ日本も危機に対応できるように  有事法制を整えるべきじゃないか」 という世論が生まれかねない。

そんなことを許したら、やがては 「改憲議論」にまで行きつくかもしれない。

やばい…自分たちを食わせてくれた 戦後体制(GHQ体制)が終わってしまう!

だからこそ、何とかして全く別の論点で 国民世論を煙に巻く必要がある。

「そうだぁっ、PCR検査の  少なさを問題化しよう…」

「そういえば、歴史問題もそうだった。  どんなに国賊的な嘘を  垂れ流したところで、  この国では何のお咎めもないし、  国民の多くも長いあいだ嘘を  信じ続けてくれた。うん、それがいい…」と。

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