ホワイトハウスの前庭で歓迎式典での一コマ。
熱波で、鼓笛隊や儀じょう隊の何人かが倒れる騒ぎでのこと。
陛下と大柄なクリントン大統領が並んで、儀じょう隊の前を歩かれる閲兵が始まると、補佐官たちが小声で話しあっていました。
それは、
「珍しく大統領が緊張していてぎこちない、それに比べて、陛下はじつに堂々と
威厳を持って歩いておられる、これはやはり、伝統と年期の違いだ」
という内容でした。
植え穴が土鉢の倍ぐらいに掘ってあったそうです。植樹をする人はかたちだけ
スコップで土を寄せて、後は、他の人に任せるというのが通常のやり方だったようです。陛下は、スコップを受け取られると全力で穴を埋め始められたのです。
皆がハラハラしだした頃心配そうに園長が「陛下、全部ご自分でなさらなくてもいい
のです」と大声で言いました。
陛下がようやくホッとなさったように背伸びをされたので、周りからは温かい安堵の
拍手と笑い声が起こりました。陛下は、何かに真面目に取り組もうとなさるために、
かえってユーモラスに見えることがあるのです。
詳しくは、「天皇家の執事」を、ご覧下さい。
国基研