なぜ、33人のチベット人が焼身自殺

 「国基研だより」平成24年6月号より
P8抜粋 
センゲ チベット亡命政府首相はこういっておられます。
 チベットの人々は、占領、弾圧、抑圧を受け入れることができません。だから、焼身自殺という抗議行動をしているのです。最近、33人の人が自殺を企て、22人は命を落としました。なぜなのでしょうか。
 われわれは生命が貴重だということを知っています。そして、みんな生きたいのです。誰も死にたいなどと思いません。しかし、状況が本当に耐えられなくなったとき、33人のチベット人焼身自殺をして、われわれが苦しみ、支援を求めているというメッセージを世界に向けて送ったのです。
 これに対して、国際社会は懸念を表明しています。そして声明を発表しています。そのことは感謝していますが、効果的な支援ということではどうでしょうか。
 チベット人の血は、チュニジアの人々の血と同じぐらい暖かく、赤い色をしています。それなのに、あと何人のチベット人焼身自殺をしなければ、国際社会は注目してくれないのでしょうか。北京が、われわれの主張に理解を示し、政策を変えようと言うまでに、何人の人が死ななければならないのでしょうか。中国政府は、この問題の原因はダライ・ラマ法王にあり、首相の私にあるという言い逃れで責任転換をしています。しかし、解決策は北京の手にあるのです。
 自殺した人たちはチベット人として、チベット国のために命を絶ったのですから、残されたチベット人は連帯を示すことが必要です。失われた命が無駄になってはいけません。亡くなっていった人たちは、すべて、「ダライ・ラマ法王がチベットに戻ることを求める」と言っています。
 チベットの人々は、ダライ・ラマ法王に誰もが会いたいと願っているのに、60年近く会えていません。これがもう一つの要求です。命を賭した33人が求めていたのは、ダライ・ラマ法王のチベットへの帰還。そしてチベット人の自由です。
 日本は民主化を求めるアジアで主要な役割を果たすことができると思います。なぜなら、日本は神道、仏教、そして民主主義がお互いに共同するものだということを示しているからです。日本の民主主義は成熟して、確固たる根を下ろしています。日本は、世界の多くの国々、とくにアジアの国々にとっての模範になっています。
 
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