JINF 今週の直言
超党派議員が中国の人権弾圧に初の抗議
国基研理事長 櫻井よしこ
チベット亡命政府首相ロブサン・センゲ氏招致委員会の長として首相をお招きし、4月3日、国家基本問題研究所主催のシンポジウム「アジアの自由と民主化のうねり 日本はなにをすべきか」を開催した。強い風雨の中、会場がほぼ埋め尽くされたことに、まず胸を打たれた。
チベット、ウイグル、モンゴルの代表から、非道を極める中国の異民族弾圧が具体的に指摘され、世界は、自由、民主主義、法治を重んずる日本を含む国々と、それとは異質の価値観を押し通す中国などの二大勢力に分かれていることが改めて浮き彫りになった。弾圧の実態に涙を流す人々もいて、シンポジウムは日本のなすべきことを自ずと明らかにした。
●チベット亡命政府首相に実情聞く
それが具体化したのが翌日だった。超党派の議員61人と代理30人、計91人が「ロブサン・センゲ首相からチベットの実情を聞く議員有志の会を開き、議員会館に首相を招いた。長年、中国に気兼ねして口を噤んできた日本が、初めて価値観を揚げて行動したのである。 つぐ
そもそもダライ・ラマ法王14世は、独立を求めていない。チベット仏教とチベット語、チベット文化の継承と高度の自治の保障を要請しているにすぎない。昨年8月に亡命政府首相に就任したセンゲ氏も、法王同様に、高度の自治を求めているにすぎない。チベット人がチベット人として生きたいと願うのは当然である。だが、中国政府は過酷な手段で弾圧し続ける。実態を首相が説明した。
「僧侶たちはダライ・ラマ法王を誹謗し悪魔と呼ばなければ罰せられます。僧院には毛沢東以下、鄧小平、江沢民、胡錦濤らの肖像画が飾られ、毛沢東思想の学習が強要されます。抗議は一切許されず、ハンスト、平和的集会やデモにも投獄と死が待ち受けます。1月24日の平和的デモでは8人が銃撃され死亡しました。こうした状況下で、2009年以降、33人が焼身自殺を図り、22人が死亡しました。悲惨な死は、世界に実情を知らせる政治的抗議なのです」
●日中外交史の転換点
中国政府はセンゲ首相来日に「強烈な不満」を表明し、日本政府にも自民党にも抗議を繰り返した。結果、政務三役全員が欠席したが、91人の議員は全員一致で、「日本国国会議員有志によるチベット人弾圧に関する決議」を採択、中国政府に「人権弾圧を直ちに停止するよう強く求める」と宣言した。
メディアは殆ど無視したが、三桁に迫る数の政治家が、初めて中国に人権弾圧に公に抗議したことは、わが国外交史に残る重要な転換点であろう。そうしたことの実現に一役買った国基研を、私は誇りに思う。 (了)
国基研
雅楽平和 いい音色 です
わたしも、誇りに思っています。有り難うございます。
微々たることでも、貢献できれば幸いです。
立ち上げたらいいと思う。
悪の根源の中国に毅然と立ち向っていかなければ明日の日本はない。
また、公共放送を自負されるNHK様が大々的に報道しなければならないお立
場なのに報道しないのは公共放送としての役目をここでも行っていない。
受信料を徴収することが正しいのか。
皆様方は、どう考えるか。
マスコミも強い者には、口ごもるのか。報道の自由はどうした。真実を報道する
と常日ごろ仰っておられるが。