皇后様のご養蚕

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  誕生日の木と木ことば
    3・12 レンギョウ 悠悠自適

皇后陛下のご養蚕は明治時代から続く伝統を持っていますが、その中で「小石丸」という

品種の蚕が飼われてきました。日本古来のもので、繭は小さく、糸も細くて弱い。

ですから産業としての養蚕には向かないということで、ほとんど生産されなくなっていました。

皇居で細々と飼われている程度になっていました。

昭和の終わり頃から、皇居でも「小石丸」を飼うのをやめてはという話が。

けれども当時、皇太子妃であった皇后さまが「日本の純粋種と聞いており、繭の形が愛らしく、

糸が繊細でとても美しい。もうしばらく古いものを残したいので小石丸を育ててみましょう」

と、おっしゃって、そのまま続けてこられました。

そこへ、正倉院の宝物の一部である絹織物の復元模造を行うという計画が平成6年から10年

かけて始められることになった。

そこで、「小石丸」の糸が必要となって御養蚕所の「小石丸」をいただけないかという申し出が

ありました。

皇后さまは、とても喜ばれそれまで、8キロの繭を48キロにまで増産して、正倉院に送るように

なさいました。

その結果、平成16年には、この事業が無事に完了しました。

その後、いろいろな所にも用いられました。

詳しくは、「天皇家の執事」を、ご覧下さい。

私は、思うのです。

その物の良さを、わかっていらっしゃるからこそ大切に保存しようとなされると。

簡単なようで出来ない大切な心、感性だと思います。

こういうところを学ぶべきで、ファッションばかりを取り上げるのはどうかと思う。

感性をもっと重視して、研いていかないといい仕事は出来ないと思います。

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