皇室とともに
産経ニュースより
【書評】
『いま日本人に読ませたい「戦前の教科書」』日下公人著
「ハナ・ハト」「水師營」「稲むらの火」-。これらの題名を目にして、思わず懐かしいと感じる方も多いかもしれない。そう、これらはすべて太平洋戦争前の小学生が学んだ、国語の教科書に載っていた教材だ。
昭和5年生まれの著者は、実際にこの教材で育った世代だ。「大正から昭和初期にかけて、日本の義務教育は世界最高の水準にあった。教科書は大正デモクラシーを反映し、自由で平和な雰囲気が染み込んでいた。その中には現在でも学ぶべき点が数多くある」と言う。
一方、本書の担当編集者は、戦前の教育イコール封建的で国粋主義だと教えられた世代。実は当初、著者の「いまこそ戦前の教科書を読み直すべきだ」という提言が、いまひとつピンとこなかった。ところが実際に『尋常小学国語読本』などを読むと、実に偏りのない、質の高い教えにあふれていたことに気付かされた。
本書は、そんな戦前の教科書が、いかに子供たちの情操教育を徹底していたか、道徳心や国際感覚を自然に身につけさせていったかなどを、著者ならではの視点で追っている。
伝統を語り、伝統に誇りを持つためには、まずそれを知らなければならない。本書は、戦前の教科書の中に、伝統を知るためのヒントを見いだしていく。(祥伝社・1680円)
祥伝社書籍出版部 竹口栄一
「戦前の教科書」日下公人著
教育者も読んで、より良い教育の実現をお願い致します。
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