国家存続のため 「列島強靭化」 の政治決断を

 防災対策がマスコミでも取り上げられている。が、家庭での備蓄程度の話だ。
 そんな悠長なことを言っておれない。原発事故も起きるとは思っていなかった。
 が、起きた。それを教訓にしているだろうか。消費税・反原発どころの話ではない。
 (原発は稼動していても停止していても危険度は同じ。廃炉に50年はかかる。)
 自民党政策調査部会に尋ねると、まさにうちが今やろうとしている重要課題だ。
 しかし、マスコミは、また土木事業を業者の為にやると避難して困っているという。 また、下の記事を書かれた藤井聡 京都大学大学院教授もわざわざ党本部を訪 ねて頼みに来られて自民党もやろうとしているという。
 みなさん、記事を読まれてマスコミが正しいか自民党が正しいかご判断下さい。
                                      今枝正晴
                            http://www.gagaku-heiwa.jp
 
  原発の語られない本当のことを知りたければ、「国基研だより」H.23.10月号
 H.23.12月号・H.24.2月号に書かれています。会員になってHPでご覧下さ
 い。この情報を、東電以外の電力会社に送りワイドショウを買い上げ国民に知ら
 せて国民が判断するように求めました。が、却下されました。都合の悪いことが
 あるからという理由です。国基研は、真に国家としてあるでき姿を提言している
 唯一のシンクタンクと言えるでしょう。
 

   国家存続のため「列島強靭化」の政治決断を

「国家」というものは、栄えることもあれば亡ぶこともある。世界史の中では、超大国であった国が小国、貧国に落ちぶれる例は枚挙にいとまがない。その一つがポルトガルだ。ポルトガルは18 世紀に世界を〝支配〟するほどの強大な国力を誇っていた。しかし、そんなポルトガルの国力を一気に削いだのが「リスボン地震」(1755 年)という巨大地震であった。死者は6 万人に上り、火災によって、そして大津波によって首都リスボンは壊滅した。その結果、ポルトガル経済は大打撃を受け、これが世界一の大国の座から凋落(ちょうらく)する引き金となったのだった。
 

         10 年以内に「平成関東大震災

つまり,首都を襲う巨大地震は、大国を一気に凋落させる恐ろしい力を秘めているのである。それから200 年以上が経過した今,同じような危機に晒さ らされている大国がある。我が日本である。
 
関東平野は、歴史的には30~50 年ごとにマグニチュード(M)6.5~8 程度の巨大地震に襲われ続けてきた。しかし今、関東平野では実に90 年近くも大地震が起きていない。この「異様」な事態は、要するに関東平野の足元に地震エネルギーが溜たまり続けていることを意味する。
そんな中、3 月に東日本大震災が起きてしまった。これもまた歴史を振り返れば、東日本の太平洋沖で大地震は過去2000 年間に4 回起きているのだが、その4 回とも例外なく首都圏で大地震が10 年以内に起きている。こうした事実を踏まえれば、「平成関東大震災」が10 年以内に起きることはほぼ間違いない状況にあることが分かる。

            有史以来最大の危機

これだけでも、日本は国家的危機に晒されていると言い得るのだが、残念ながら我が国は、大阪、名古屋を含めた西日本全域を直撃する「東海南海東南海地震」の危機にも晒されている。その20 年以内の発生確率は、実に7~8 割程度にまで上がる。

つまり、日本は戦後肥大化し続けた3 大都市圏が一気に壊滅しかねない、第2 次世界大戦に匹敵するとも言い得る程の、有史以来最大の危機に直面しているのである。
 
しかし、技術立国であり経済大国である日本には、そんな危機を乗り越えるために必要な、徹底的な防災対策や強靱な国土の構築を企図した200 兆円規模の財源に基づく「列島強靭化」を果たす底力が間違いなくある。

だが、足らぬものが一つだけある。列島強靭化に向けた「政治決断」である。だからこそ我々は今、国家存続を期するために、そんな政治決断を下すためのあらゆる努力をなさねばならない。日本の命運は、我々、平成日本人の手に委ねられているのである。
 
一般財団法人 国家基本問題研究所
国家研だより 【第107回】 平成23年9月20日付
京都大学大学院教授 藤井聡氏 筆
国基研