古事記で三つの価値観が分かる

                                  誕生日の木と木ことば
            2・2 ダンコウバイ 沈着          
 
 今年は、古事記が編纂されて1300年に当たります。武田恒泰氏は
 「古事記1300プロジェクト」運動を推進されています。
 (その1つが、全国各地のホテルに古事記を配布する運動)
 
 「日本の息吹」2月号  抜粋
 
神話教育は民族存立の要件である
 竹田 イギリスの歴史家、アーノルド・トインビーが「12,13歳くらいまでに民族の 神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる」と言っています。この言葉はと
 ても恐ろしい。なぜなら、戦後教育を受けた世代のほとんどは、日本神話を学ん
 できたとはいえないからです。つまりトインビーの言に従えば日本の教育が現状
 のまま推移すれば、日本民族は必ず滅びることになるのです。
 
古事記で分かる三つの価値観
 竹田 民族の行動を決めるのは民族の価値観です。民族の価値観には三つの
 柱がある。ひとつは自然観、もうひとつは死生観、三つ目が歴史観古事記
 読むとこの三つが分かる。
  日本人は大自然をどうとらえているのか。人はどこから来てどこに行くのか、
 人生とは何か、生きるとは何か、死ぬとは何か。そして、古事記編纂の目的自体
 が日本の建国を明らかにすることですから、天皇とは何か、日本とは何か、日本  人とは何かという歴史観が分かります。
 
日本人の自然観
 ・・・・・・・・・・・・・前略・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 竹田 古事記では、神とは大自然のことです。そしてその神の子孫が人であると
 されています。つまり、人は大自然から生まれ、大自然の恵みによって生かされ
 ている存在であり、大自然に感謝を捧げながら生きてきたのが日本人であること
 が示されているのです。一方で、ときに大自然は災害などで人々を苦しめても
 きた。つまり、大自然の恵みに感謝しながら正しく大自然を畏れてきた。大自然
 の付き合い方、作法というものをずっと積み上げてきたのが日本人であり、その
 ベースには調和、和の思想がある。
  この和の思想が、自然に対してだけではなく、家族生活、社会や集団の生活、
 そして国としてまとまるときにも、あるいは他宗教や異文化との関係においても、
 今日にいたるまで日本人のものの考え方や行動原理の根底をなしています。
 
歴史観を取り戻せ
 竹田 さきほど民族の価値観には自然観と死生観と歴史観の三つがあると言い
 ましたが、自然観も死生観もまっとうなものを持っていますよ、現代の日本人は。
 唯一欠けているのが歴史観なんです。
  世界の国々で、日本ほど自国の建国記念日に無関心な国はありません。そして
 自国の建国の英雄たる初代国王や初代大統領の名を知らない国民はいないの
 に、日本を建国した初代の天皇神武天皇を知らない日本人がいかに多いこと
 か。これがいかに異常なことかは、初代国王ゴームの名前を知らないデンマーク
 人はいないし、初代大統領ジョージ・ワシントンの名前を知らないアメリカ人はい
 ない、ということを想起するだけで明らかでしょう。
  日本政府は、戦後だって、神武天皇を否定したことは一度もないのです。それは
 国の祝祭日である建国記念の日が今でも2月11日だということに端的に現れて
 います。その日付の根拠は日本書紀神武天皇が即位された日を太陽暦に換算 した日が2月11日であるということ以外にはないからです。にもかかわらず、
 今日、政府主催の式典やお祝い事は何も催されていない。こんなに建国を無視し
 た国は世界中にありません。
  しかも日本は現存する国家のなかで、世界最古の国なのです。日本の次に長い
 歴史をもつデンマークは1100年余、次のイギリスは1000年弱の歴史です。これ
 に対して日本は短くても1800年、長くみれば2600年以上ですから、桁違いの
 長さなのです。このように世界に誇るべき長い歴史を持つ国の建国を祝わないな
 んて、もったいないと思いませんか。
  まっとうな民族の歴史観を養ったときに日本人はかつての輝きを取り戻すと思い
 ます。その手始めに、まずは古事記を読んでほしい。今年は古事記1300年、
 さらに来年は神宮の式年遷宮です。今年から日本の蘇りが始まる、そう信じて共
 に頑張りましょう
 
 
 
              ご葬儀を雅楽の音で 格式高く
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